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2.だから話を聞いて!?②

ผู้เขียน: 鷹槻れん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-04 04:36:31

「なっ、何とかしますっ!」

 その宛てもないくせに売り言葉に買い言葉みたく勢いよく啖呵を切ったら、「悪いがお母さんに頼まれてお引き受けした以上、俺のほうにはキミに断られるという選択肢はないんだよ。今日キミを迎えにくるために散々あちこちに根回しもしたしね。その労力は無駄には出来ん。――よって、花々里(かがり)の意見はオール却下だ」とか。

 嘘でしょぉぉぉぉぉ!?

 どんだけ自分勝手なの! この人!

「それに……先日手付金……、おっと失敬。結納金だったか。まぁとにかくそれ代わりにキミの今年度の後期の学費を大学に納入させてもらっているからね。キミに拒否権はないのだよ。――お母さんからその旨連絡はなかったかい?」

「……っ!」

 ありました!

 ええ、ありましたとも!

 誰から、とかはありませんでしたけれども……まさか貴方さまだったとは!

 通りで全納だなんておかしいと思ったんですよ!

 けど今、御神本(みきもと)さん、絶対「手付金」とか不適切発言なさいましたよね!?

 い、一体何に手をつけるためのお金なんですかっ!?

 思ったけれど藪蛇になりそうだし、聞くのはやめておくことにします。

 私だって一応女子大生ですからね。そこまでお馬鹿じゃないのです。

 でも……それはそれとして――。

 結局これ、どうすればいいの?

 お金返します! だから見逃して?っておねだりしてみるのが最善策?

「し、支払っていただいたお金は少しずつでも……」

 お返ししますので!……と、眼前の男の顔を見上げてキリリ!と格好良く言い放とうとしたら――。

 ――グゥゥゥゥゥー!!!

 とかっ!

 なまじ距離が近いから今の轟音、絶対御神本さんにも聞かれましたよね!?

 ひぃー。お願い! 今は黙ってて!! 私のお腹の虫! あとで草でもなんでも放り込んであげるから!

 ぶわりと耳を熱くして、慌ててお腹を押さえてうつむいた私の頭上へ、クスクスと笑い声が降ってきた。

 顔を上げなくても分かります。

 御神本さん、笑ってらっしゃいます……よね?

「とりあえず話の続きは食事でもしながらどうかな? 実は、俺も夕飯まだなんだ」

 言われて私、思わず条件反射で顔を上げて、目をキラキラさせてしまった。

 ううう。

 腹ペコが憎い。

「そ、そ、そ……。その手には乗り……」

 ――ません!

 それでも生唾をグッと飲み込んで、何とかキッパリ断ろうとしたら、

「何がいい? 寿司か? ステーキか? それともフレンチ? イタリアン? なんでも花々里が望むものを食わせてやろう」

 って本当ですか!?

「――ます!」

 結局、飢えたお腹の虫に意識を乗っ取られた私は、“乗り「ません!」”と言えずに、“乗り「ます!」”と路線変更してしまった。

 あ、あくまでも言わせたのは「お腹の虫」です。私じゃありません。

 でも私、「お腹の虫」の気持ちも少しは分かるのよ?

 だってだって!

 お寿司よ!? お肉よ!? フレンチにイタリアンよ!? 断れるわけないじゃない?

 思わず口の端にヨダレが滲んできて、慌てて唇にグッと力を込めた。

***

「ほ、本当に……何でも。う、う、な……ぎ……とかでもいいんですか?」

 ややして、恐る恐る問いかけたら「ん?」と聞き返された。

 あー、やっぱり選択肢にも上がってなかったうなぎとか出してくるとか、図々しかったですか!?

 うなぎ、絶滅危惧種ですもんねっ!?

「ま、間違いましたっ。コンビニのお弁当でも十分ですっ!」

 慌てて言ったら、「コンビニにもうなぎがあるのかね?」と聞かれて。

 ないことはないと思いますけど……もしかしてうなぎOKだったりします?

 思わず期待に満ちあふれた目で御神本さんを見つめてしまって、フッ、と小さく笑われてしまった。

「まるで餌をチラつかせた途端よく懐く子犬みたいだな、花々里」

 あんなに強く肩を掴んでいた手をあっさり離すと、今度は犬にするみたいに頭を「よぉーしよし」と撫でてくる。

 ミディアムロングの、オリーブベージュ色の髪の毛をかき乱されて、せっかく綺麗に内巻きにできてるのに崩れちゃう!と思って、

「ちょっ、なっ、何するんですかっ」

 言いながら思わず頭を押さえたら、まだ頭上に載せられたままだった御神本さんの手の上に手のひらを重ねてしまった。

「ひぁっ」

 異性の手に触れたのなんて、小学生の頃のダンス以来だよぅ。

 あ、待って! そういえば中学生の頃に更新したわっ。運動会で迷子になっていた、幼稚園児の男の子の手を引いてママを探して歩いたもの!

 ん!? 幼児はカウントしちゃダメ?

 ちっさくても異性だからいいよね?

 まぁ、でも。それを含めたとして……いずれにしても何年も前なことに変わりはないわけで。

 劇的に異性に免疫のない私は、不覚にも想定外の接触事故にドキッとしてしまった。

「ご、ごめんなさっ」

 ドギマギしながら慌てて手をのけようとしたら、ニヤリと不敵に微笑まれて手首を掴まれた。

「では、行こうか、俺の可愛い子犬ちゃん」

 言われて、否応なしにぐいぐい手を引っ張られる。

 私、子犬なんて可愛いものじゃありません。

 強いて言うなら「はらぺこヨダレむし」ですっ。

***

「――ときに、コンビニのはよく分からないから俺の馴染みの店ので構わないか?」

 半ば無理矢理高級車――黒のレクサス!――の助手席に押し込まれてガチャリと拘束――ではなくシートベルトをされて。

 じょ、助手席とか……彼女でもないのにいいのっ?

 とか戸惑っているうちに身体の上に覆い被さるようにされたまま、超絶美形に目の前で問いかけられたら言葉の内容なんて吟味できずにうなずいちゃうよね?

 私も御多分に洩れず、半ば夢現で「はいっ!」って答えて、背筋をぴーんと伸ばしてから、御神本さんの顔の近さに慌ててそっぽを向いたの。

「素直で宜しい」

 途端、再度頭を優しく撫でられて、私の意識はトロリと蕩けてしまう。

 男のくせになんだかいい匂いもするし!

 香水とか疎くてなんの、とかは分かんないけど、とにかく爽やかな香り。

 御神本頼綱、恐るべし!

 出会ってたかだか数分。

 私、気がついたら「名前」と「母の知り合い」だと言うことくらいしかよく分からない「産婦人科の跡取り息子」に飼い慣らされかけてます。

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